皆さんは、仮想通貨における「半減期」という言葉の意味をご存知でしょうか? 半減期とはもともと化学系の用語だったものが仮想通貨の世界へと輸入されてきたもので、簡単に言うとマイニングの報酬が半分になってしまう周期のことを指します。
それでは、なぜ半減期というものが存在するのでしょうか。また、一見悪いことに見える半減期がかえって良い方向に働くこともありますが、その原理とはいったいどのようなものなのでしょうか?
本記事では、半減期とはどのようなものなのか、その概要や主な通貨の半減期についてご紹介して参ります。半減期について正しい理解をして、より良い仮想通貨取引に生かしていきましょう!
半減期とは?
では、半減期とはいったいどのようなものなのか、改めてご紹介して参ります。
半減期とは先述した通り、マイニングの際に得られる報酬が半減する周期のこと。仮想通貨の取引がブロックチェーンに組み込まれる際、マイニングによって演算が行われて取引が承認され、ブロックチェーンに正式に組み込まれて行きます。
そしてその承認作業を行う際、マイニングを行うユーザー(マイナー)へ報酬が与えられるのは皆さんのご存知の通りだと思います。
しかし、仮想通貨のほとんどは発行上限数が定められており、マイニングの報酬を無限に発行することは原理上不可能です。そこで半減期が設けられ、発行数が上限に近づけば近づくほどマイニングで得られる報酬も少なくなっていくという仕組みになっているのです。以下の図のような報酬の減り方を想像して頂ければ分かりやすいでしょう。
(https://manepi.jp/bitcoin-issued/より引用)
この半減期は、一見報酬が減ってしまうため、マイナーにとってあまり良いものには見えません。しかし、時に半減期は個人レベルのマイナーにとっては良い方向に働く場合もあるのです。
半減期を迎えることで、当然のごとくマイニングによって得られる報酬は減ります。そしてその結果、大規模なマイニング設備を持っている企業などは利益を得にくくなり、やがてマイニングから撤退していくでしょう。
すると、今まで企業が行っていたマイニングの演算が行われなくなり、他の個人レベルのユーザーへと回ってくるようになります。するとマイニングを行える量が多くなり、結果として半減期を迎えたのにもかかわらず得られる報酬が増える場合もあるのです。
簡単に言えば、マイニングの「質」は下がったもののそれ以上に「量」が増えたことで報酬は増えた、というような図式になるでしょう。もちろん実際のマイニングがどうなるかは予測出来ませんが、こういった事態も起こりうることから、あまり半減期を恐れる心配はないでしょう。
主な通貨の半減期
では、次に主な仮想通貨の半減期について簡単にご紹介して参りましょう。
ビットコイン
ビットコインの半減期は630,000ブロックごと、およそ4年周期で訪れるとされています。次の半減期は、現在2020年6月と予想されています。
ライトコイン
ライトコインの半減期は1,680,000ブロックごと、およそ4年周期で訪れるとされています。次の半減期は、現在は2019年8月と予想されています。
ビットコインキャッシュ
ビットコインキャッシュの半減期は210,000ブロックごと、およそ4年周期で訪れるとされています。次の半減期は、現在は2021年8月と予想されています。
半減期が無い通貨も存在する
では、ここで取り上げなかったリップル・イーサリアムなどの通貨の半減期はどのようになっているのでしょうか。実は、この2つの通貨を含めたいくつかの通貨には「半減期」という概念が存在しない通貨もあるのです。
まずリップルについては、通貨を発行し始めてすぐに発行上限数を既に発行し終えているため、今後半減期を訪れることはありません。また、イーサリアムには発行上限数そのものが存在せず、理論上は無限に発行が行われることになります。
ちなみに、最近発行されたコインには半減期が無いものも多いです。これは現在ビットコインなどで採用されているマイニングのアルゴリズム以外の最適化されたアルゴリズムがいくつか出てきていること、マイニングにかかる大量の電気消費が問題になっていることなどが原因であると考えられています。
おわりに
本記事では、仮想通貨における半減期について、その意味や各有名通貨の半減期をご紹介して参りました。
上で少しご説明しましたが、環境問題が声高に叫ばれる中、今世界中でマイニングにかかる大量の電気消費が問題になっています。それによって、マイニングを必要としない、あるいはほとんど電気を消費しない手法での取引承認を行う通貨も増えてきています。
そんな中で半減期をきちんと把握し、最適なマイニングを行うことは、かえって個人のマイナーにとっては大きなキーとなることでしょう。