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銀行求む!セキュリティトークンが信頼できる仲介役を必要とする理由

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著者Ami Ben DavidはSPiCE VCの共同創立者であり業務執行社員です。また、セキュリティトークンに関連する複数の企業に投資を行っており、Ownera Foundationの共同創立者でもあります。

 

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「セキュリティトークン」がほとんど存在しない期間にVCファンドをトークン化させた初めての人物の一人として、業界初期からの投資家として、私はこのエコシステムの急速な成長について独自の視点を持っています。

 

しかし、成長率は単なる数字ではなく、成長過程にも関係するものです。

 

セキュリティトークン業界のパイオニアたちは、一般投資家を視野に入れて事を起こしました――結局、セキュリティートークン(STO)は一般投資家を対象としたICOから生まれたものです。この流れの早い二年間で、誰もが単純な事実に気づきました。すべては機関投資家を参加させられるかどうかにかかっているということです。

 

セキュリティトークンにはICOの技術と共通する部分がありますが、完全に違うものを代表しています。それは、変更不可能な共有されたブロックチェーン台帳上で誰が何を所有するかを人間が判断する方法をデジタル化することです。これまでのICOよりも大きな複数の注文と、重大なビジネス――合法で規則正しい成熟したビジネスを構想しています。

 

トークン化のための大部分の資産内容の供給は、機関投資家がそれを獲得する能力によって変わります。現在、誰が機関投資エコシステムの中心にいるのでしょうか?投資銀行です!

 

もし数十億、ゆくゆくは数兆ドル相当の資産をトークン化することが確かな目的であれば、この業界は、証券市場の中心にいる投資銀行、例えばJPモルガン、シティ、モルガンスタンレー、ゴールドマンサックス、メリルリンチやその他既に一流の機関を避けていては、その領域に到達することはできないでしょう。

 

呼び名すら変わりつつあります――「セキュリティトークン」の代わりに業界関係者はすでに「デジタルセキュリティ」や更に適切な「スマートセキュリティ」(コードやアプリの注入に重点を置いたもの)に切り替えています。

 

焦点はクラウドファンディングトークンではなく、すべての資産の所有権が管理される方法をデジタル化しています。

 

私は個人的にビットコインの長期的な生存能力を信じていますが、暗号通貨、ステーブルコイン、不換通貨、JPMコインその他将来的に開発される支払いの形と交換可能であるべき証券すべてをトークン化しようとする動きの成功とそれは関係ありません。

 

我々がSPiCE VCファンドのトークンを販売したとき、投資の大半はビットコインではなく不換通貨によって行われました。ビットコインは(今のところ)不安定すぎて、それには適当ではありませんでした。

 

銀行が必要

なぜ投資銀行がこのエコシステムの次のステージにおいてここまで重要な存在となるかを理解するために、詳細を見ていきましょう。

 

スマートセキュリティ市場では、信用には三段階の層があります。情報、照合、分配です。銀行はそれらにおいて決定的に重要な役割を演じます。

 

信用の第一段階:情報

投資にあたって、投資家は自分たちが買おうとしているものが何か知る必要があります。機関投資家たちは、特に、はなはだしくリスクを嫌います。彼らはこの新しい形式が、資産における彼らの権利を確かに保証することを知らなければなりません――何も「間違った」ことが起きないように。

 

セキュリティトークンの第一世代の最近の波を見れば、いくつかのトークンは詳細な情報を提供しトークン所有者の権利について開示していますが、大半のトークンにはそれがありません。いくつかのセキュリティトークンを買う場合は、それが何なのか知るためにほとんど探偵のようにならなければなりません。

 

我々は未だこの基礎的な問題の全貌を感じることはできません、なぜなら市場が未だ「初期の」段階にあるからで、すなわち大半の人々が発行者から直接購入を行い、どのような形式のドキュメントをも要求することができます。もし第二の市場が始動すれば、人々はより良い情報モデルが必要であることに気づくでしょう。

 

私はこの情報モデルをKYA(資産確認)と呼びます――資産の「正体」を、KYCが所有者の身元とともに扱うのと同じ方法で記録することです。

 

基本的に、スマートセキュリティのKYAはシンプルな単一のフォルダであり、そこではトークン所有者の権利について知るべきすべてのことが明確に述べられています。それは完全な最新情報を開示し、安全でプライバシーが有効な、変更不可能な(そのため誰もこっそり変更することはできない)ものである必要があります。

 

投資銀行は各資産クラスが機関投資家たちを取り込むために必要とする情報が何なのかを形作ることに貢献することができます。

 

信用の第二段階:照合

ブロックチェーンの処理過程では、情報の準備と、それが真実であると照合・承認する過程には違いがあります。似たような過程が現在の証券の世界でも適用されています。

 

人は、自身のKYC/AMLを証明できるでしょうか?人々は「私を信じてください、私はマネーロンダラーではありません」と自分で言えるでしょうか?それは不可能です。彼らはパスポートを提示し、信用された団体などの第三者が証明を行わなければなりません。

 

同じことがKYA――資産情報にも言えます。すべての発行者が自分の要求をなんでも主張でき、外部の承認なしに条件を変更できるようなエコシステムは、トラブルを引き起こします。

 

この仕事――信頼性と証券価値の照合は、投資銀行、ブローカーディーラーやその他引受人が何十年にもわたってやってきたことです。この機能は次の理由で発達してきました――それは取り除くことができるようなものではないからです。

 

この照合、作業及び信用の提供は、投資銀行のような、投資家がそれらの受託者義務とビジネスニーズを理解して完全に信頼しきっている団体によって為されるときのみ価値を持ちます。

 

信用の第三段階:分配

いちど投資銀行やその他の市場関係者が情報を蓄積し照合し、彼らが宣伝する資産の信用を提供してしまえば、機関投資家やその他目立った投資グループを含む、彼らの現存するクライアントベースに対してそれを売り込む絶好の立場にあることになります。

 

彼らは信用のネットワークを持った分配者であり、すでにたくさんの資金を現存する証券市場に流し込むよう行動しており、スマートセキュリティへの市場の必然的な移行につれて、彼らはこの新しいモデルの普及とスケーラビリティにおけるカギとなります。

 

これこそが、「銀行を撃て」というモットーがまったく間違ったものであるという理由です。

 

銀行をエコシステムの中心に位置づけることがこの業界が最も早く成長する手段です。たくさんの大きな資産が銀行に行ってしまうでしょうが、それよりも多くが新しい市場に入っていくことになるでしょう。並行して、新しいインフラと技術的革新は、ブロックチェーンそのものから投資家管理まであと1マイルというところまで、バリューチェーンのあらゆるレベルで必要とされることになるでしょう――ブロックチェーン時代のアマゾンやグーグルが生まれることでしょう。

 

我々が資金をトークン化し始めたとき、セキュリティトークン業界には確か5社しか存在しませんでした。現在、1年半たって、数百社が存在するようになりました。これは技術的なデジタルパラダイムシフトであり、銀行はその中心にあるべきなのです!

 

この記事の翻訳元

Long the Bankers! Why Security Tokens Need Trusted Middlemen – CoinDesk

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