目次
2017年、2018年は巷で騒がれるように「仮想通貨バブル」の年でした。2017年のたった1年間でビットコインの市場価値はなんと14倍にまで膨れ上がり、そして2018年に暴落していったその様子はまさに「バブル景気」と呼んで差し支えないでしょう。
そして、そんな最中に大きく注目されていたのが仮想通貨のマイニングです。専用の機器が無くとも、家庭にあるパソコンを使って手軽に仮想通貨が得られると話題になったマイニングは瞬く間に広がり、大企業の数々がそこに投資を始めました。
しかしそのバブルも弾け、だんだんと低い水準での安定傾向に落ち着き出した今となっては、マイニングもなかなか話題に上らなくなりました。それではそんな中、果たしてまだマイニングで利益を得ることは出来るのでしょうか?
今回、本記事では2019年2月時点におけるマイニングによる収益について、いろいろなマイニングデバイスごとに徹底調査してみました!
マイニングで収益を得ることは出来るのか? ~GPU編~
それでは、まず初めに一番マイニング用デバイスとしてポピュラーであろうGPU(Graphic Processing Unit)、いわゆるグラフィックボードについてご紹介していこうと思います。
今回調査を行ったGPUはNVIDIA社のフラグシップモデル「RTX2080Ti」とミドルスペックモデル「GTX 1070」、しばしばマイニングに用いられるAMD社の「RX580」の三種類。
マイニングはビットコインのみを想定し、調査に用いたデータはこちらのサイトから引用しました。また、かかった電気代は東京電力の従量電灯B契約を想定して、必要な電気をGPU単体動作と仮定し計算しました。
RTX2080Tiの場合
RTX2080Tiを用いた場合、一日で得られるビットコインは2019年2月4日時点の計算でおよそ0.00033163 BTC。電気代と差し引きすると0.00002368 BTC、なんと日本円に直してたった8.9円程度の利益しか得られない計算に……。
GTX1070の場合
また、こちらも非常に収益性が低い結果になってしまいました。GTX1070を用いた場合、一日のマイニングで得られるビットコインは0.00019898 BTC。電気代を差し引きして日本円に直すと、なんと9円のマイナスとなってしまったのです。
RX580の場合
そして、こういったマイナス傾向はAMD社のグラフィックボードでも変わらない様子。RX580を用いた場合では、一日のマイニングで0.00010640 BTCが得られる計算となりました。ここから電気代を差し引きし日本円に直すと、なんと一日当たり約20円のマイナスという結果に。
どうやら、昨今のGPUマイニングは非常に厳しい状況にあるようです。
マイニングで収益を得ることは出来るのか? ~ASIC編~
それでは、GPUがダメならASICではどうでしょうか? ASICとはGPUとは異なり、マイニング専用に作られたデバイスのこと。これなら収益性を確保することが出来るのでしょうか?
ASICに関しては、ASIC Miner Valueというサイトでどのくらいの利益を得ることが出来るのかを確認することが出来ます。以下は、2019年2月4日時点での利益のランキングTOP10になります。
これを見ると、どうやら「Spondoolies SPx36」という機種が一番利益を得られる様子(一番上の「Obelisk SC1 Immersion」は未発売)。その利益は一日あたり28.31ドル、日本円に直すと約3000円となっています(ただし、日本のそれよりも安い電気代で計算されていることに注意して下さい)。
どうやらこの結果を見ると、GPUよりも高い利益をASICでは出せる様子。しかし、だからと言ってASICマイニングを行うというのは、特にこれからマイニングを始めようとする皆さんにとっては非常に厳しいものとなるでしょう。
なぜなら、ASICはその専門性故、非常に高額であることが多いからです。事実、今回一番利益を得られると分かった「Spondoolies SPx36」は、一機あたり50万円を超す市場価格となっており、これは入手性という面でなかなか厳しいと言わざるを得ません。
まとめ
ということで、これらの結果から「2019年2月時点では、マイニングは一切収益性のないものだ」ということが分かりました。
もちろん今回はビットコインを用いて算出をしたため、他の通貨やアルゴリズムを勘案すればまた違った結果になるかもしれません。ですが、一時期のように一般家庭でも高い収益性を保ってマイニングをするというのは、なかなか厳しいものとなっているのではないでしょうか。
おわりに
今回は、仮想通貨のマイニングについて、その収益がどの程度になるのかをマイニングデバイスごとにチェックしていきました。
仮想通貨バブルが弾け、かつ企業がこぞってマイニングへと参戦してしまっている現状を見るにつけ、どうやら現状では仮想通貨を手に入れる手段としてマイニングを行うというのは、あまり得策ではないようです。
仮想通貨を手に入れて取引等を行いたいという際には、仮想通貨取引所などを用いて取引するのが最善手となるでしょう。