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アメリカの上位5つの病院が患者データのためのブロックチェーンを調査

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アメリカの上位5つの病院のうちのひとつであるマサチューセッツ総合病院(MGH)の研究者が韓国のブロックチェーンスタートアップであるMediBlocと提携し、患者データの保管・共有のより良い方法を探そうとしています。

MGHの医療画像処理研究所とハーバード大学医学部の責任者であるSynho DoがCoinDeskに対して語ったところによると、同研究室では調査の範囲を「医療画像分析から、ブロックチェーン、AI、機械学習のような最先端技術を活用した健康情報の交換」まで広げつつあるそうです。

具体的な戦略について、Doは以下のように付け加えました。

「MediBlocとの提携で、我々はブロックチェーン技術がどの程度、健康情報の交換に安全なソリューションをもたらし、ヘルスケアAIアプリケーションを病院における日々のワークフローに組み込み、機械学習の発展のためのデータ共有・ラベリングプラットフォームをサポートするかを調査することを目的としています。」

Doは後に、広報担当者を通して、同病院が実際の患者データではなくシミュレーション用のデータを利用して調査を行っていることを強調しました。

患者データにまつわる問題は、多くの団体――病院、研究機関、保険会社、製薬会社など――が医療的な支援を受けている者の情報を必要としているということです。しかし今のところ、各団体が独自のデータを持っており、安全に共有することはできないうえ、様々な互換性のないフォーマットで作成されていることがしばしばあります。

「毎日、人々が病院に行くたび、たくさんの情報が作成されますが、それをひとつの病院から他の病院へ送ることは容易ではありません」とMediBlocの共同創立者でありCEOのAllen Wookyun KhoはCoinDeskに語りました。

MediBlocは患者データを管理・共有するための分散型台帳だけを開発しているのではなく、現在病院に保管されているデータのフォーマットを共通のものに変換するツールの開発にも取り組んでいる、と彼は付け加えました。

様々なブロックチェーンスタートアップが、健康情報の高速かつ安全な送信を可能にしようと取り組んできました。しかし、MGH(USニューズ&ワールド・レポートが毎年行っている調査の最新版では国内4位)の研究室のような主要な医療機関と提供するケースは稀です。

そのようなケースが稀な理由は、データを共有するために、病院はそのデータシステムをデザインしているITベンダーへの全面的なアクセスを必要とするからだ、とTransloのCEOであるKamran Khanは述べました。Transloもまた、ハーバード・イノベーション・ラボの内部で健康情報のためのシステム開発に取り組んでいます。

ベンダーも自分たちが独自にデザインした部門から情報を外部に出そうとは思っておらず、それゆえ各病院が異なるコードで書かれた電子ヘルスケアシステムを持つことになっており、場合によっては一つの病院内でも病気によって異なるシステムが使われていることもあります。

KhanはCoinDeskに次のように語りました。

「ボストンだけでも、17の病院向けに27の異なるシステムが存在しており、それらは相互運用性を欠いています。それは意図的に行われたことです。一度データが独自のシステムから出れば、病院がそれ自体のシステムを作ることができます。」

新しいシステムを作り出すために病院はベンダーを説得して現存するデータへの全面的なアクセスを供給してもらい、そのシステムによって病院に利益がもたらされることを確信する必要があります。

アジアのパートナー

MediBlocは、少なくともアジアでは、提携において顕著な成功を収めました。Khoによると、現在その地域における8つの医療機関、Deloitteの韓国の子会社であるDeloitte Anjin LLCを含む14のテック企業がMediBlocのシステムのテストに参加しています。

同社の営業開発マネージャーであるDawn LeeはCoinDeskに対して、同社は2017年12月に韓国国内で初めてICOを実施した企業のうちのひとつとして韓国政府の注目を集めていると語りました。

その事実、またMediBlocの創立者であるKhoとEunsol Leeが医者であることが、政府関係者や病院との関係構築に役立ちました。

その結果、ブンダンソウル国立大学とソウル聖マリア病院と提携して行われる二つの政府出資によるプロジェクトにおけるブロックチェーン技術のプロバイダーとして同社が選ばれることになりました。

大きな医療機関と協働したという記録が、医療画像処理研究所がMediBlocに話を持ち掛ける要因になったと彼女は語りました。「MGHの研究室と当社は出会い、我々は春先に話し合いを始め、夏に契約を結び、現在調査をスタートしたところです。」

MediBlocの現在の主な目的は、それに基づいて他のスタートアップが健康情報の交換や様々な用途のアプリを築けるようなエコシステムを構築することです。

そのブロックチェーンのテスト環境バージョンは8月に発表され、そのネットワークは今年が終わるまでに稼働が予定されており、2019年の第二四半期には全体的に機能するようになる、とKhoは述べました。

MediBlocが2019年の前半に稼働させようと計画しているアプリは他にもあります。ひとつは、現在300のユーザーによるベータテスト段階にある、患者がその症状と処方箋に関する情報をMediBlocに売ることができるようデザインされたものです。その後、MediBlocはデータを分析し、分析結果を製薬会社や保険会社に販売します。

将来的に、ユーザーはデータの販売や供給を、MediBlocを仲介者として存在させなくとも、買い手と直接行うことができるようになる、とKhoはCoinDeskに対して語りました。

それらすべての主な目標は、患者が独立して自らの情報をどうするか判断できるようにすることです。

「患者自身が自分のデータの媒体となるのです」とLeeは締めくくりました。

この記事の翻訳元
A Top-5 US Hospital Is Exploring Blockchain for Patient Data – CoinDesk

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