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量子コンピュータがビットコインを破壊する!?仮想通貨へ量子コンピュータが与える影響とは

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ビットコインなどに代表される仮想通貨に、いま世界中に存在する暗号化通信技術のうち最も優れたものの部類に入るであろうブロックチェーン技術が使われているのは皆さんもご存知のところでしょう。

このブロックチェーン技術では、大雑把に言うと「公開鍵暗号方式」や「ハッシュ関数方式」という方法を用いてブロックチェーンを暗号化し、セキュアな通信を実現しています。

この公開鍵暗号方式というのは、公開鍵と呼ばれる公開されたキーフレーズで情報の暗号化を行い、それとは別の秘密鍵と呼ばれるキーフレーズで復号を行う、という方式。

公開鍵から秘密鍵の推測は出来ないようになっており、別々のキーフレーズを用いることが出来るため通信傍受による情報漏洩の心配もありません。これらより、現在非常に多くの事例において公開鍵暗号方式は用いられています。

また、ハッシュ関数方式というのは元データを「ハッシュ関数」と呼ばれるプログラムにかけ、そこから一意な文字列を得ることでデータの改ざんを検出する方式です。もしデータの改ざんがあったらハッシュ関数から生成される文字列も異なりますからね。

現在、これらのセキュリティ技術は非常に優れたものとされており、世界中のさまざまな技術に応用・利用されています。

しかしこういった暗号化技術が、これから将来登場するとされている「量子コンピュータ」によって打ち破られてしまうかもしれない、という事実を皆さんはご存知でしょうか?

ということで今回は、この迫りくる問題について、詳しくご説明していこうと思います。

量子コンピュータとは?

それではまず本題に入る前に、「量子コンピュータ」とはいったいなんなのか、軽くご説明していきましょう。

量子コンピュータとは、その名の通り量子力学的現象を利用して演算を行うコンピュータのことを指します。

例えば、通常のコンピュータですと「電流が流れている状態」1と「電流が流れていない状態」0を組み合わせ、いろいろな数や文字、画像などを表現します。いわゆるデジタル情報というもので、そこに0.1や0.5などの状態は存在しません。

しかし、量子コンピュータでは電子レベルに小さい粒子の量子力学的な現象を利用することで、一つ一つの情報に0.1や0.5などの複雑な状態を持たせることが可能となるのです(これを量子エンタングルメントと言います)。

これにより、量子コンピュータでは通常のコンピュータに比べて扱える情報量が圧倒的に多くなり、処理速度が格段に飛躍するのです。一説によると、現在のスーパーコンピュータの1億倍にまで処理速度が向上するのだとか。

量子コンピュータが脅かす仮想通貨の将来

それでは量子コンピュータの性能について大まかにご覧頂いたところで、本題へと移っていきましょう。なぜ、量子コンピュータが仮想通貨の将来を脅かすのでしょうか?

仮想通貨において用いられているブロックチェーン技術では、冒頭でもお話ししたような「公開鍵暗号方式」というものや「ハッシュ関数」と呼ばれる技術が用いられています。

これらのセキュリティ技術においては、理論上暗号化されたもの・生成されたものから元のデータを作ることが不可能ではありません。分かりやすいたとえで言えば、「鍵穴から鍵を作ることも不可能ではない」と言ったところでしょうか。

しかし、現在のコンピュータ技術ではそれを行うための性能が十分でなく、行おうとしても数十年~数百年、場合によっては何万年レベルの時間がかかってしまいます。これでは誰もデータの復元をしようとはしませんよね。

ですが、量子コンピュータが誕生してしまうと話は異なります。上でもご説明したように、量子コンピュータは現在のコンピュータに比べおよそ1億倍の性能を持つとされています。

これはつまり、現在1億秒(≒約3年2ヶ月)かかっている処理がたった1秒で終わってしまうということ。すなわち、現在は「理論的に可能だが事実上不可能」とされている暗号化データの復元が、現実的に可能なものとなってしまうのです。

これこそ、ビットコインやイーサリアムを代表とした仮想通貨が将来脅かされてしまうかもしれない、という問題の本質と言えるでしょう。

おわりに

今回は、量子コンピュータによる仮想通貨の破綻という懸念について概要をご説明させて頂きました。このように、現在のままでは将来的に閉塞してしまうのが仮想通貨全体の問題点なのです。

ですが、ご安心ください。量子コンピュータ自体、実用化レベルにまで持って来られるまでにはまだ50年ほどかかるとされていますし、各仮想通貨もそれぞれ量子コンピュータへの耐性を持ったものが登場してきています(NEO、QRLなど)。

今後、著名な仮想通貨もこのように耐量子コンピュータ性を身に着けていくことでしょう。なんにせよ、今後のコンピュータ業界や仮想通貨業界の流れを注視していく必要がありますね。

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