ビットコイン先物取引は、あるタイミングにて設定した額で必ずビットコインを売買する手法のことを指します。つまり、仮にビットコインが暴騰しようが暴落しようが、一度決めた額でビットコインを必ず売買しなければいけない、というような取引方法です。
そしてなんと、ビットコイン先物が原因で、ビットコインの取引高が増加したのだとか。なぜビットコインの取引高が増加したのか、その原因について考察いたします。
先物取引とは
先物取引とは、将来的に決められた価格で商品の売買を行う約束を交わすような取引方法です。イメージとしては、
「米の価格を一俵(60kg)3万円に設定していた米農家は、この相場とすることでなんとか黒字を保っていました。また、普段から米を扱う定食屋でもこの価格に不満はなく、コメ農家と定食屋は契約期間内でずっと3万円の売買を行うという約束を交わしたのです。
しかし、台風などの天災に見舞われ、米農家が育成してきた稲作に被害が及んでしまい、米の収穫量が極端に減りました。その結果、価格を3万円よりも高く上げないと赤字は避けられない、と米農家は嘆いています。
ですが、契約期間内でずっと3万円の売買を行うという約束が交わされているため、いかなる理由があろうと、3万円で米の売買を行わなければならないのです」
このようになるでしょうか。
また、こういった展開だって考えられます。
「米の相場はもともと1俵3万円でしたが、米の需要が供給を上回ったため、米相場が1俵2万円へと下がりました。本来であれば、米農家は2万円で定食屋に卸さなければならないのですが、事前に3万円で売買するという約束が交わされています。
そのため、定食屋は2万円ではなく3万円で米農家から仕入れなければなりません。米農家には利益が上がり、逆に定食屋は仕入れコストを据え置きせざるを得ない、という結果となりました」
約束を一度交わし、その時点で互いに了承した金額での取引を行う。これが先物取引の一番基礎的かつ重要な考え方です。
ビットコイン先物で取引高が増加したそのわけとは?
今までのビットコインは現物取引が主流でしたが、現在はビットコインFXやビットコイン先物、さらにアルトコインのFXと言った、新しい仮想通貨の取引方法が次々と登場しています。
現物取引の場合、単純に借金して仮想通貨を買うという概念は存在しません。しかし、ビットコインFXやビットコイン先物などは信用取引に分類し、ビットコインを借りて取引する、空売りするなどして利益を得ることととなります。
2018年7月下旬、ビットコインの取引高が増加しました。なぜビットコインの取引高が増加したのか、それはアメリカ最大のオプションと言われているシカゴオプション取引所(CBOE)が、ビットコイン先物取引を扱い始めたことにあります。
ビットコインの取引高が高くなったのは、ビットコイン先物の利用に参加するユーザーが増えたことであると考えています。なんと世界最大の資産運用会社であるブラックロックも、ビットコイン先物への投資を検討しているとのこと。
そのため、ビットコイン先物に対する、世界全体からの注目度が高くなってきています。
日本の取引所はすでにビットコイン先物取引が可能
ビットフライヤーやビットバンクなど、金融庁認可の日本取引所であれば、ビットコイン先物を扱っています。世界大手の取引所に先駆け先物取引を行っているというのは非常にありがたいですね。
しかし、すべての取引所がビットコイン先物を扱っているとは限りません。ビットコイン先物を利用する際は注意して取引所を選びましょう。
ビットコイン以外の仮想通貨で先物取引が可能になるか
また、仮想通貨市場がさらに進めば、アルトコインの先物取引も可能になると考えられます。
イーサリアムやリップルやビットコインキャッシュなど、時価総額ランキングが高いアルトコイン限定になると思われますが、現実になれば仮想通貨市場の活発が見込めるでしょう。
終わりに
ビットコイン先物は初心者にとって難しく、初心者向きとは言えません。ビットコイン先物に興味を抱いた初心者ユーザーはまず、現物取引から始めることをおすすめします。
取引していくうちに慣れて、信用取引に手を伸ばすことはあると思いますが、損失などのリスクを考えなければなりません。そのリスクをうまく避けるには、仮想通貨に関する徹底した情報収集が必要でしょう。
仮想通貨投資において最大の武器となるのが情報収集で、何も知らないで投資すると、かえって痛い目に合ってしまいます。これについては、仮想通貨だけでなく、株式やFXなど、全ての投資分野にも言えることでしょう。