ブロックチェーン技術の実現可能性に関する二つの調査がタイの商務省によって開始されました。
知的財産の登録と貿易金融におけるブロックチェーン技術の研究は、2019年2月に完了予定であるとバンコクポストは報じました。
商務省の傘下にあるタイ貿易政策・戦略局(TPSO)の責任者であるPimchanok Vonkorponによると、このプロジェクトはイギリス大使館による支援を受けているとのことです。
能率と信頼性の向上
貿易金融に関しては、透明性を高め、取引におけるコストを削減し、プロセスを短縮するのにブロックチェーン技術が役立つとPimchanokは指摘しました。また、知的財産に関しては、IP、企業登録、トレーサビリティの管理を手助けします。この件には、ブロックチェーンに関する知的財産の商業化の機会や、スマートコントラクトの利用、知的財産の登録と保護の提供など、非常に様々なトピックが含まれることになります。
加えて、この実現可能性に関する調査には、知的財産法の見直し、ステークホルダーへの聞き取り、知的財産管理の過程の見直しが含まれます。
TPSOはまず小規模のブロックチェーンプロジェクトから開始する意向を示しています。
有機栽培米の輸出
貿易金融と知的財産に関する用途の他に、TPSOはブロックチェーン技術を有機栽培米の輸出に活用し、遅延をなくしてコストを下げることを目指しています。現在、タイからの有機栽培米の輸出には15~20日かかっており、煩雑な手続きのおかげで経費が嵩んでいます。
しかし、TPSOが想定するところのブロックチェーン技術があれば、輸出にかかる時間は短縮され、透明性は高まり、サプライチェーンにおける信用・信頼が強化され、様々なステークホルダーにメリットが発生するでしょう。
「ブロックチェーンを輸出過程に利用することによって、処理にかかる時間が3日以下に短縮され、透明性が向上し、輸出者と外国の輸入者の信用・信頼は強まり、タイの農業従事者に利益をもたらすでしょう」とPimchanokは述べました。
ブロックチェーンと暗号通貨への支持
2、3カ月前から行われている複数の開発によって裏付けられているように、タイはブロックチェーン技術と仮想通貨に対してかなり前向きな姿勢を取っています。そのため、TPSOによってこのような調査が行われることは驚くべきことではありません。
例えば、7月にはタイ銀行が、国境を越えた決済、サプライチェーンファイナンス、ドキュメントの認証に利用するためのブロックチェーンアプリケーションを検討していたことを明らかにしました。同月、タイ債券市場協会は、社債の即時決済と精算を可能にするブロックチェーン基盤のトークンの開発に取り組んでいたことを公表しました。
また、タイ銀行が、国内の送金に利用可能な中央銀行デジタル通貨の開発に取り組んでいることが、2カ月前にCCNによって報じられました。
この記事の翻訳元
Thailand Studies Blockchain for Applications in Intellectual Property, Trade Finance